昨年9月発足いたしました
安倍内閣は、
小泉改革路線をそのまま引き継ぎ、国民に負担を強いる政策を進めています。
医療制度改革法や
障害者自立支援法は、低
所得者層、高齢者、障害者など弱い立場の人々を直撃いたします。やむなく受診を控えたり、施設から退去させられる事態に追い込まれています。
また、
労働ビッグバンと称して非
正規雇用者を増大させ、さらに、ホワイトカラーエグゼンプションなるものを導入し、残業代の不払いさえ行おうとしています。その結果、セレブな生活がもてはやされる一方で、ワーキングプアと言われる貧困層が生み出され、その数は急速に拡大しつつあります。そして、
平均所得50%以下の貧困層の比率は、今や世界で最も高い国になったとまで言われています。この弱肉強食、優勝劣敗の過酷な
競争社会の中で、人々は負け組になるまいと、もがき、さまざまなストレスにさらされ将来への不安を募らせています。
一方、政府が進める
三位一体改革も、昨今の
地方自治体の窮状を見れば、
地方分権や
財政改革とはほど遠く、改革に名をかりた
地方切り捨て以外の何物でもありません。今日、企業の本社などが集積する大都市と地方との格差はますます拡大し、中には
財政破綻にまで追い込まれる自治体もあらわれています。
このように、これまで私たちが積み上げてきた支え合いや補完し合う平等な社会は瞬く間に破壊され、それにかわって貧困と分裂が進む不条理な
格差社会が出現しています。私
ども民主党は、弱い立場の人々に力を与えることこそ政治がとるべき道と考えております。将来に希望を失いかけている人々に、生活を再建し暮らしやすい社会や地域を協働でつくろうと呼びかけることが、何よりも国や自治体に求められています。
万一、ここで頼るべき
地方政府である県や市が
中央政府に追随し、
競争至上主義や
勝ち組優先の姿勢に立つとすれば、それは市民の
生活防衛を第一の使命とする
地方自治の放棄であり、
格差社会の
旗振り役になりかねません。この国の憂いに対する市長のご意見をお聞かせ願いたいと思います。
次に、
市長選挙並びに
選挙戦について、ご意見をお伺いしたいと思います。
市長選挙後の12月議会は、11月の直後ということでショックと熱気は影を潜め淡々とした議会で、過去最高の16万票の市民に支えられた市長は、自信に満ちた勝者という感じさえうかがわれました。
昨今の
首長選挙からも、福岡・
熊本市長選挙現象が飛び火したように、
宮崎県知事選挙、
北九州市長選挙の結果に見られる
共通現象が表面化しております。その要因は、一党一派に属しない
無党派層をいかに取り込み、勝手連的な
草の根運動と
地方版マニフェストの
相乗効果を起こすことのようです。
市長の
選挙戦は、政党が
自主投票とした
国会議員、
県会議員、
市会議員までもが
勝手連的運動を起こしながら、
地方版マニフェスト、市民との約束が大量に配布され、その
相乗効果が16万4,387票を生み出す要因となったと思います。
そこで、市長にお聞きしたいと思います。
まず1つは、16万4,387票です。
市長は幸山
通信新春号で、「16万4,387票の重さに身の引き締まる思いである」と述べられております。3カ月がたち待ったなし、市民との約束も公約に沿った
予算編成が今回提案されております。16万4,387票の重さの影響についてお尋ねします。
次に、市長の政党に対する
政治姿勢です。
県議時代は自民党のホープであり、
サラブレッド的存在でありました。確かに、全国的に
首長選挙は、無所属で県民党、市民党として旗揚げされております。幸山市長は民主系ですか、自民系ですか。
以上、3点市長にお尋ねしたいと思います。
〔幸山
政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長
田尻議員に、3点のお尋ねでございますので順次お答えをさせていただきます。
まず、
格差社会につきましての考えを述べさせていただきたいと存じます。
少子高齢社会あるいは
人口減少社会におきましては、これまでのような
右肩上がりの
高度成長はもはや期待できない状況にございまして、こうした時代におきまして、平等に機会を与え、公平公正な環境の中で競争を行いますことは、社会全体の活力を維持、創出してまいりますために必要なことであると考えております。しかしながら、一方で、ご指摘のありましたような格差が過度に拡大してまいりますことは、社会不安を増大させ、公共の福祉を確立する上でさまざまな問題を引き起こすことにつながるのではないかと考えております。
こうしたことから、
格差社会への対応は、社会全体で真剣に考えていかなければならない問題であると認識いたしております。私は、競争に敗れた人あるいは競争するだけの力のない方に対する
セーフティーネットを社会全体で構築することが必要であると考えておりまして、公共の大きな役割であるととらえております。
そこで、本市といたしましては、
社会保障制度などの適正な運営に努めることはもとより、
雇用対策、
地域経済の活性化などを進めていくことが重要であると考えております。今後とも、正確な把握が困難な面もございますが、
格差社会の動きに注視しつつ、
住民生活に最も身近な
基礎自治体といたしまして、でき得る限りきめ細かな対応を行ってまいりたいと考えております。
次に、
市長選挙、
選挙戦についてでございます。
ただいま議員の方からは、今回の結果は
草の根運動と
地方版マニフェストの
相乗効果であると分析をいただいたところでありますが、私も今回の選挙の中で
公開討論会などがふえたことによりまして、有権者の
判断材料などがこれまで以上にふえてまいりました結果、投票率が前回を約4.7ポイント上回りまして、また、
新聞報道によりますと、
投票基準といたしまして4割以上の方が政策を第一に掲げられておられますなど、市民の皆様方の市政への関心が高まったと感じているところでもあります。私といたしましては、今回の選挙結果を受けまして、先ほど御紹介もありましたが、1期目以上にその市民の皆様方の期待の大きさというものをひしひしと感じておりますとともに、責任の重大さ、痛感しているところでございまして、その期待にこたえるべく、そして、多くの得票に決しておごることなく
行財政改革の着実な推進を図りますとともに、新しい
熊本づくりにみずから先頭に立ち、取り組んでまいる決意であります。
そして最後に、政党についてのお尋ねでございますけれども、初日の
紫垣議員の御質問にもお答えを申し上げましたが、
地方自治体におきましては、
国会議員の中から首相を選ぶ
議院内閣制とは異なりまして、首長と議員をそれぞれ直接住民の選挙によって選出をしますことから、政党の
位置づけというものは国政とはおのずから異なってくるのではないかと考えております。加えまして、国と地方とでは
政策課題が異なっておりまして、自治体の
首長選挙ではより住民に密着した課題の解決が争点となりますために、特定の政党の支持等を受けず、住民の代表として
選挙戦に臨む候補者がふえてきているのではないかと考えておりますし、私自身もそういった観点により、これまでの2度の市長戦では政党の推薦を求めてまいりませんでした。
ですから、最後の御質問でございますけれども、私はどちらの政党に近いということはなく、67万市民の代表といたしまして
市政運営に邁進する覚悟でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔36番
田尻将博議員 登壇〕
◆
田尻将博 議員 ありがとうございました。
もういろいろなコメントは避けます。ただ、後ほどでも
まちづくりの質問で出てまいりますが、
地方自治のいろいろな改革については、もう待ったなしでございます。その重みがこの期待された票と私どもも思いますし、我々議員としてもこの結果というものを十分に重く受けとめて、
議会活動等を活性化していかなければならないと思います。
そこで、2番目の質問としまして、
地方自治法改正に伴う本市の対応についてお尋ねしたいと思います。
地方自治法は、これまで
地方制度調査会の答申のたびに改正され、また、
地方分権改革推進法の成立など、
地方自治体の行政を取り巻く環境が大きく変わりつつあります。平成17年12月9日の第28次
地方制度調査会の答申に基づいて自治法が改正されました。
そこで、その改正の概要を若干紹介いたしますと、地方の自主性、自立性の拡大を図るための措置ということになっております。
第1に、
収入役を廃止し副市長に長の権限を委任することで、みずからの責任と権限において
事務処理を可能としております。
第2に、監査の充実としまして、識見を有する者から選任する
監査委員の数について条例で増加できることとしております。
第3に、財務に関する制度の見直しですが、
クレジットカードによる
使用料等の納付、
有価証券の信託、
行政財産である建物の一部
貸し付け等が可能になります。けさの朝日にも載っておりました。四国の丸亀市が
クレジットカードをもう導入するという記事が載っておりました。スピードがある処置だなと感心して読みました。
第4に、地方6団体への情報の提供でありますが、
地方公共団体に新たに事務または負担を義務づけると認められる施策の立案をしようとする場合、各大臣から
地方公共団体の
連合組織に、その内容となるべき事項を知らせる措置を講ずることとなりました。
第5に、吏員の廃止、これは公務員の役員の話ですが、吏員とその他の職員の区分及び
事務吏員、
技術吏員の区分を廃止し、一律に職員という名称にするというようなことで、あとほかに
議会制度の見直し、
中核市制度の見直し、これは直接熊本市には関係ありませんが、いろいろそういうのが今度の改正の概要でございます。
特にこの法の趣旨は、副市長は長を補佐するという役割を残しつつも、長の命を受けて政策及び企画をつかさどり、あるいは個別に事務の委任を受けて事務を執行するという役割が重視された改正となっています。総合的な女房役のような役回りではなく、専門性の高い、
専門的知識を持ったような形で一定の
行政分野を責任持って担うというように、多様な
トップマネジメントのあり方を考えたらどうかというような
改正内容でございます。具体的には、
収入役制度を廃止して副
市長制度に一元化することによって、個々の
地方公共団体の判断によって適切な
トップマネジメント体制ができる、組織の簡素化の視点も含めて構築していけるのではないかというねらいがあると思います。
本市はこの4年間、条例では副市長は二人体制にもかかわらず、一人副市長、
収入役の三役体制が続いております。幸山市長は、専ら重点的、戦略的、長期的な
政策決定、
政策方針の策定に注力され、三嶋副市長は、人間性か女房役に徹しておられるように映ります。市長の姿を拝察しますと、この前ちょっと
写真撮影のときですか、後ろから見ますと、もう白髪も若干目立ち始めておりまして、
議会対策の御苦労もあるかと思いますが、今回市長の
提案理由説明のとおり本市百年の計でありますので、
政令都市への
プロセス、
新幹線全線開通、
熊本都市圏づくり、
行財政改革など、立て続けに来る
主要事業は待ったなしの状況であります。
このような趣旨からも、市長は先日副市長二人体制を表明されました。おのおのの副市長が最大限の力を発揮し、責任を持ってそれぞれの
担当分野の政策について判断や企画を行う、そのことが適切な
トップマネジメントの体制であり、大胆な
組織づくりが生まれると思います。
この改正を受けとめ、
トップマネジメント体制を初め、どのような体制を整備しようとしているのか、具体的な
ビジョンをお尋ねしたいと思います。
次に、今回なくなることになる
収入役は、数少ない特別職の
ポジションであります。
一般職と違い、採用についてはある種の自由度が存在し、例えば、
公認会計士や弁護士などの専門性の高い者をインハウスとして登用することが可能でありました。今回、
一般職の
会計管理者ということになりますが、専門性の高い
ポジションを今後とも確保していくための努力が必要ではないかと思います。今回制定する「熊本市
一般職の
任期付職員の採用等に関する条例」では、具体的に
広域行政の推進、熊本駅
東A地区市街地再
開発事業などと説明されておりますが、専門的な知識、経験が必要な業務も定義されており、
会計管理者も視野に入れたらどうかお尋ねいたします。
また、
収入役は、これまでは特別職として任命に際しては議会の同意が必要でありました。同じ権限を有する者が、
一般職であるがために議会の同意を必要としないことになり、議会との
緊張関係が低下するのではないかという懸念さえあります。この点についてどう考えておられますか。
以上、市長にお尋ねし、また、今回
収入役は任期を残しながら勇退されると聞いております。この
地方自治法改正による
収入役制度の廃止について、
収入役の感想をお聞かせ下さい。
〔幸山
政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長
地方自治法改正に伴います本市の対応についてということで、法改正を踏まえました
トップマネジメント、そして、今後の
会計管理についての2点にお答えさせていただきます。
申すまでもございませんが、
地方分権の推進によりまして、
地方自治体の役割と責任が一層拡大し、地域のさまざまな課題をみずからの判断において主体的に解決していくことがますます求められております中で、
自治体組織の
運営体制も、より自主性、自立性の高いものへと強化を図っていく必要がございます。
こうした中、今回の
地方自治法改正でありますが、長を支える
トップマネジメント体制の強化を主眼といたしまして、副市長の
機能拡充などが図られたものでありまして、近年の
地方分権の趣旨を踏まえたものであると認識いたしております。
そして、本市におきましては、
九州新幹線鹿児島ルートの
全線開業により、一層激化するでありましょう都市間や都市圏間の競争への対応、さらには、
政令指定都市の実現といった本市の将来に大きな影響を与えるような
政策課題が山積している状況にもありまして、今回の法改正の趣旨も踏まえつつ、迅速かつ的確に対応していかなければならないと考えております。特に、熊本駅
周辺整備を初めといたします
中心市街地の活性化、また、バス網の再編や
鉄軌道ネットワークの強化といった
公共交通網の問題などは、喫緊の
重要課題でもございます。
こうしたことから、これらの
政策課題につきましては、これまでの経験や知見を発揮し的確な対応を図りますために、新たに副市長の選任をお願いしたいと考えているところであります。今回、副市長二人体制へと拡充してまいりますことで、私を補佐する
トップマネジメント機能のさらなる強化を図り、新しい
熊本づくりに向けまして、先ほど申し上げたさまざまな
政策課題に、より積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、
会計管理者につきましてお答えさせていただきます。
収入役は、出納その他の
会計事務につきましては独立した権限を持ちますことから特別職とされ、選任に際しまして議会の同意も必要とされてきたところでありますが、一方におきまして、対外的に特別職として、私の補佐としての役割を担ってもらう面もあったところであります。しかしながら、
出納事務の
電算化等が進んできた、あるいは
収入役を置かない市町村が
増加傾向にあるという
地方制度調査会の答申を踏まえまして
地方自治法が改正され、今回、
一般職となる
会計管理者を置くこととされたものであります。したがいまして、これまで
収入役が担ってまいりました対外的な役割につきましては、今後、副市長に担ってもらうことになろうかと考えております。
また、
会計管理者に民間人を登用してはとの御提案でございますが、これまで
収入役は
本市職員から登用してきた経緯もございます。また、今回の改正におきまして
一般職の
会計管理者になりましても、権限や専門性につきましては特に変わりはないものと考えております。
〔
川上憲司収入役 登壇〕
◎
川上憲司 収入役 田尻議員にお答えいたしたいと思います。
今回、私が退職するに当たりまして、
地方自治法改正による
収入役制度の廃止について感想をとのことでございますので、一言述べさせていただきたいと思います。
この
収入役制度でございますけれども、明治21年、
市制町村制という法律の中で制定されました。以来、今日まで118年間の歴史を重ねておりますけれども、今回の
地方自治法改正によりまして、
社会環境情勢の変化を理由に本年4月1日をもって廃止されるということになったわけでございます。
この
社会環境の変化を具体的に申し上げますと、例えば、IT化の進展等で
会計事務が効率化し、
会計事務をつかさどる特別職としての
収入役の存在が薄れてきている、あるいはまた、実際の職務でございますけれども、市長の代理としてあいさつを代読するなど、多分に名誉職の色合いが濃くなってきている。またそういう点から、市長からの独立性も薄く、
位置づけが形骸化してきている等々が挙げられまして、
行政改革の流れに沿って廃止すべきであるということでございます。
私もこの
収入役制度の
廃止論議につきましては、もう足かけ3年ほどになりますけれども、国での
審議経過が報道されますたびに目を通しておりましたが、全く同感でございます。
そこで、この
地方自治の改正の趣旨を踏まえ、また、本市がただいま
行財政改革を推進する真っただ中にある、あるいは市議会におかれましてもみずから
定数削減を実施されるなど、現在の諸情勢を考慮いたしますと、
制度廃止に伴って当然私自身もやめるべきであろうと判断しまして、3月末日をもって退職することにしたところでございます。
以上が感想でございます。
〔36番
田尻将博議員 登壇〕
◆
田尻将博 議員 ありがとうございました。
川上収入役最後の登壇でございました。まだ任期は法的にはちょっとあるそうでございますが、今回は3月末ということで、
収入役という言葉、名詞といいますか、役柄も118年の歴史の幕を閉じるということになるわけでございまして、確かに
一つ一つ地方自治法が改正され、
地方自治が変わりつつある、これは我々も受けとめながら、そういう部分も、議会もですが、いろいろな形でなっていくだろうと思います。
次は
政令市に向けてということですが、
政令市に向けては、私より前の議員の皆さんが大変いろいろなことで質問されましたので、若干角度を変えて御質問したいと思います。
まず、今、きょう現在でもそうなのですが、なぜ合併か、なぜ
政令市か、なぜ州都かというような言葉がどんどん飛び交うようになりました。やはり時期が来たと私も思うわけでございます。と同時に、本市の将来像、熊本市がどういう形になるか、これは
島田議員の20年後のお話もありましたし、いろいろな議員の皆さんが質問されました。私は、
プロセスとしてやはり合併、そして
政令市、そして州都という階段を我々は目標に向かって歩いていかなければいけないというような状況ということで、若干質問を書かせていただきました。
思い出しますと、私どもが平成3年に議員になったときから、古くて新しい課題が
政令市実現構想でありました。しかし、なかなか当時からも人口の問題とかいろいろなことがございまして、熟しない時期がずっと続いてきたというような感想でございます。
しかし、その後
合併特例法の
人口要件の緩和ということで、俄然、
政令市実現運動というものが盛り上がりました。これは前期でございます。植木町、益城町にあっては
住民説明会や、また
住民投票もありました。ましてや、
熊本市議の
皆さんたちはグループをつくりまして、
住民投票で賛成に回ってくださいという手紙も書きました。そういうのを質問をつくる間に思い浮かべたわけでございます。そういうことをやりましたが、結果的に本市の思いが届かなかったのは、つい最近のことでございます。
しかし、諦めかけていました
政令市が、特例法の延長ということで再度火がついております。幸いにも富合町と多少のいろいろなことがございましたが、合併の
プロセスに入ったことは、
富合町民の皆様に対し感謝を申し上げねばならないと思います。そして、合併してよかったという歴史を残す責任が、我々熊本市、そして議会にあると思います。
政令市は本市に与えられた最後のチャンスと思います。そして、富合町との
合併成功こそが
本市政令市への第1波であると思います。
しかし、
政令市要件には高いハードルがあります。それは、平成22年3月までの
期限つき立法と
合併人口70万以上でございます。ご承知のとおり、人口については未達でございますし、
隣接自治体との合併が第2波、第3波と続かなければ、達成には遠くなります。
相手があることでなかなかその戦略は表に出てきませんが、市長の戦略から、
熊本都市圏ビジョン基本構想を初め、次の一手を必ずお持ちのはずでございます。相手がひとり歩きすれば破談もありますので、あえて
自治体名は避けますが、山登りで言えば、今交渉は何合目付近かという感想と次の一手の
進捗状況についてお尋ねしたいと思います。
次に、州都の課題でございます。こんな話題の記事が載っておりました。「九州で州都をどこにするかも関心が集まりやすい。佐賀県鳥栖市は
高速道路の
交差地点、熊本市は地理的に九州のへそであることを理由に州都を主張している。九州の中心は、昔は長崎県の出島だったし、国の
出先機関が集中したのは熊本市。州都問題は最後までもつれるだろう。北海道の道州制論議が小泉純一郎首相による道への道州制特区構想検討要請をきっかけに本格化したのに対し、九州の論議は経済界主導で進んでいる。最初から1つの地域である北海道と7つの県が存在する九州との間には、道州制をめぐっても北と南以上の違い」と記載されておりました。北海道と九州、目指すのは同じですが、さまざまな論議が各地で起こり始めたようでございます。
これから本格的に論議される道州制。九州ではあらゆる都市が州都の綱引きを行い、都市間競争が本格化すると思います。その条件には、一定の人口、交通アクセス、経済、教育、文化など、総合的な社会資本の充実が求められると思います。熊本都市圏を構成する各自治体、各議会の皆さんの協力があってこそ達成されます。そのためには、ともに手をつなぎ共同、共栄で展開しなければなりません。私ども議会も最大の協力をしなければならないと思います。そして、州都の誘致合戦は、超難問が予想されるはずです。その条件をクリアする態勢を整えなければなりません。この課題に対する市長の御所見と御決意をお願いいたします。
次に、私は、州都の最低条件は
政令市であると思います。熊本駅は
政令市を目指す玄関口であります。その熊本駅周辺の県市事業が急ピッチで進んでいます。新幹線つばめが4年後の23年春には熊本駅に到着します。その時点で、各事業の完成状況、未完成事業の
進捗状況について、さらに都市圏網基幹道路である西環状道路、野口清水線、新土河原出水線等、基幹道路の状況について、都市整備局長にお尋ねいたします。
〔幸山
政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 それでは、私の方から2点、
政令指定都市実現への
進捗状況について、そして、州都に向けた課題に対する所見と決意につきまして順次お答えさせていただきます。
まず、
政令指定都市実現への
進捗状況についてお答えをさせていただきます。
合併につきましての具体的な取り組みといたしましては、御案内のように、本年1月5日に富合町との合併協議会を設置したところでありまして、3月1日に開催をいたしました第2回の協議会におきましては、編入合併の方向も御承認いただいたところであります。今後も合併協議を着実に進めまして、意義ある合併の実現を目指していきたいと考えております。
また、熊本都市圏及び
政令指定都市についての研究会におきまして、熊本都市圏の共通の
ビジョンを作成いたしましたことは、相互の信頼関係の構築につながったと考えておりますし、特に、熊本都市圏に
政令指定都市を実現することの必要性を共有できましたことは、
政令指定都市実現に向けた一つの大きなステップとなったものと認識いたしております。私といたしましても、熊本都市圏
ビジョンについての協議の中で、近隣市町村長の皆様方との個別の話も行うことができるようになってきているところでもあります。今後も引き続き、合併も含めました意見交換をさせていただければと考えております。
現在が何合目と例えるのはなかなか難しいことでございますが、
合併特例法の期限まで残り3年という厳しいスケジュールの中におきまして、本年が
政令指定都市実現のめどをつける重要な時期になるものと考えておりまして、今後も合併、
政令指定都市の実現に向けまして精力的に取り組んでいきたいと考えております。
続きまして、州都に向けましての御質問にお答え申し上げます。
私といたしましては、九州中央に位置するという地理的条件、あるいは、明治以降九州を統括するさまざまな政府の
出先機関等が設置されてきたという歴史、そして、100万人を超える熊本都市圏を形成していることなどを踏まえまして、道州制移行を見据えた本市の目指すべき方向としては、九州における行政機能等の中心都市として九州の一体的な発展を牽引する役割を担う、いわゆる州都であるととらえているところであります。
加えまして、熊本都市圏におきましても、先ほどの都市圏
ビジョンの中におきまして、熊本都市圏に
政令指定都市を実現し、九州の州都を目指すことといたしたところでありまして、熊本県におきましても潮谷知事が、州都を目指す市町村と連携しながら、道州制や州都に対する理解が得られるよう県民の幅広い議論を喚起してまいりたいと述べられますなど、本市が州都を目指すことについて、本市のみならず、県や都市圏においても認識は共通してきていると考えております。
そこで、今後本市といたしましては、まずは先ほどの
政令指定都市を実現し、そして州都にふさわしい都市機能の充実を図りますとともに、豊かな自然と伝統ある歴史、文化が調和した、魅力と活気にあふれた新しい
熊本づくりにスピードを上げ、取り組んでまいる所存であります。
さらに、都市圏、市町村、県、経済界などと連携を図りながら、本市が州都を目指すことにつきまして、市民はもとより、都市圏、九州へ広くアピールをいたしますとともに、九州の一体化の促進に積極的な役割を果たしてまいりますことで、九州の州都は熊本市として名実ともに認知していただきますように、積極的に取り組んでいきたいと考えております。
〔松本富士男都市整備局長 登壇〕
◎松本富士男 都市整備局長 私からは、熊本駅
周辺整備と街路事業、2点の
進捗状況についてお答えいたします。
〔議長退席、副議長着席〕
まず、1点目の熊本駅周辺地域の整備につきましては、平成17年6月に県市で策定した熊本駅周辺地域整備基本計画に基づき「出会いとふれ合いの副都心」を将来像に、多くの人が訪れにぎわいのある都市空間が創出できるよう、都市基盤の整備を初め、地域の方々と一緒になって自然や歴史性を生かした魅力ある町並みづくりに取り組んでいるところであります。
具体的には、平成23年春の
九州新幹線鹿児島ルートの
全線開業までを目標に、駅の東側地区では、駅前広場の暫定整備に合わせ、祇園橋、白川橋、田崎方面に延びる幹線街路の拡幅整備を完了させることにしております。また、駅周辺のにぎわい創出に向けましては、市の情報交流施設を導入した東A地区の再開発ビルや新熊本合同庁舎のA棟の整備に取り組んでまいります。加えまして、民間の商業・業務施設等につきましても、整備が活発化してくることが想定されます。
一方、駅の西側地区で取り組んでおります熊本駅西土地区画整理事業は、新幹線口となります西口駅前広場やそのアクセス道路を含め、約8割の整備となる見込みでございます。
これらの事業は、現在熊本県との役割分担のもと、関係機関や地域の方々の協力を得ながら、おおむね順調に進んでいるところでございます。
なお、新幹線開業後も、連続立体交差事業完成後の平成30年を目標に、魅力ある熊本駅周辺の
まちづくりの実現に向けまして、東口駅前広場の本格整備や駅西土地区画整理事業などの各事業を計画的に推進してまいりたいと考えております。
次に、2点目の熊本駅
周辺整備に関連の深い基幹道路の
進捗状況についてお答えいたします。
まず、現在、本市で整備を進めております都市計画道路、野口清水線、新土河原出水線の
進捗状況でございますが、野口清水線は、用地取得率が約96%、工事進捗率が約85%、新土河原出水線は、用地取得が完了し工事進捗率は約87%という状況でございまして、両路線ともに平成20年3月末の完成を目指しております。
次に、熊本県において整備が進められております熊本西環状道路でございますが、花園釜尾間の熊本3号トンネルが平成18年度末に完成するなど、計画どおりの進捗で、平成20年代中ごろの完成の見通しとお伺いいたしております。
また、熊本西環状道路から熊本駅を結ぶ都市計画道路、春日池上線につきましては、暫定整備ながら、新幹線開業に向けて整備される予定とのことでございます。
いずれにいたしましても、今後とも引き続き、熊本駅周辺の整備を初め、基幹道路の整備促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
〔36番
田尻将博議員 登壇〕
◆
田尻将博 議員 ありがとうございました。
特に、
政令市実現に向けては期限があるわけでございますので、どうか慎重に、成功するように、私ども議会も精いっぱい努力しなければならないと思います。19年度、ぜひ一歩も二歩も進んでいただきたいと思います。
特に、基幹道路の整備につきましては、周辺の自治体の皆さんが利用できるのはやはり基幹道路でございます。熊本市ばかりよくなるのではいけないわけですので、ぜひそこに取りつけるアクセスの基幹道路については、予算関係もあろうかと思いますが、そういうものを見据えて進んでいただきたいと思います。特に、私どもの池上校区は、西環状道路、野口清水線、そして熊本駅につながるトンネル、いろいろな工事が立て続けに進んでおります。確かに見えない資金がどんどん投入されておるわけでございますが、なかなか完成に至っておりません。どうか都市整備局長、進捗もスピードアップしてお願いしたいと思います。
次に、
まちづくりについて、まず4点質問しまして、あとは要望したいと思います。
まず、1点目でございますが、森の都と街路樹について御質問いたします。
森の都熊本の復活につながる緑保全と街路樹についてでございます。ご存じのとおり街路樹はまちのシンボルであり、四季折々の変化を感じ、美しい町並みをつくる一方、市民への緑陰の場の提供など大きな役割を担っていると思います。
そういう思いでまち中の街路樹を見てみますと、近年、強い剪定により、幹ばかり残して枝がないような姿を至るところで目にいたします。熊本の夏は非常に暑く、直射日光や道路からの照り返しに耐えられない思いをしているのは私ばかりではないはずです。何のための街路樹なのか疑問に感じます。現況の街路樹を見てみますと、イチョウ、クス、ケヤキなど大木になる樹種が主で、その結果、成長につれ歩道の隆起等さまざまな問題を生じることから、強い剪定を余儀なくされるのが今の現状のようにも見受けられます。
このような中で成功した例として、城東町の九電跡地に建てられた熊本電気ビル周辺の植栽があります。私が言うとあんまりですが、年じゅう緑が保たれる常緑樹のようで、手もかからず周囲とマッチし、なかなか風情を醸し出しているようでございます。
このようなことから考えますと、街路樹も土地柄や地域の特色に配慮した樹木の選定が必要ではないかと思います。そのためには、地元の皆さんとも十分に話をしながら決定していくことも大変重要なことではないかと考えます。
森の都熊本の復活のためには、市民の目に最も触れる公共の場所、道路の街路樹や公園の樹木などを大切にすることが重要ではないかと思います。予算の都合もあり、年じゅう手入れをすることは困難な面もあると思われますが、緑の大切さを市民に大きくアピールし、市民と協働していく工夫や手法が必要ではないでしょうか。
そこで、お尋ねします。市民や観光で熊本市にお見えになる人たちに、いかに熊本市が緑を大切にし、保全に努めているかということをアピールできるのか、環境保全局長の考えをお聞かせください。
また、剪定のあり方について、地域に合った街路樹の樹木の選定について、建設局長の考えをお聞かせ下さい。
次に、八百屋の復活と団塊世代の対策並びに活用について御質問いたします。
一昔前まで、全国至るところまで、集落の中に八百屋とたばこ屋、酒屋、米屋がありました。店は集落の中心地に存在し、そのまちの井戸端会議的存在で情報収集・発信地でもありました。
昭和30年代の私の記憶をひもとけば、年に数回バスに乗って勧業館とか大洋デパートの大食堂に連れていってもらうのが一番の楽しみでありました。そのころの熊本市はバスの終点が辛島町で、新市街の入り口が
中心市街地で入っていくところでありました。熊本駅も交通の乗りかえ地で、周辺には旅館や飲食店が建ち並び、大勢の人でにぎわっていた記憶があります。
そして、その時代、大半の人が住む郊外の集落内には、最低の生活に欠かせない八百屋などの店が世代にわたって継承され、命の泉で、集落の顔的存在でありました。また、そのころは精神的にも余裕があり、自由な時間を生き生きと健康で安心して暮らし、向こう三軒両隣という互助的な一定のルールの上に存在していたと思います。
また、私が住む校区も、時代とともに八百屋さんが自動販売機店にさま変わりしつつあります。そこは高齢化でひとり暮らしの老人世帯がふえ、買い物が不自由でたまらん、バスの便は減らされ、さくらカードの恩恵はほど遠く、昔のように店が要るなあ、隣に頼むわけにいかんけんとか、いろいろな声があちこちで聞こえ始めました。40年前に造成された楠団地に住む先輩からも、去年までは家内と2人で車でスーパーまで買い物に行っとったばってん、車は恐ろしくなって、もう運転はやめた、歩いていく店もなかというような声がありました。あれだけ便利な団地都会であったという私たちのイメージも、もうこのような状況でございます。八百屋、魚専門の行商の移動販売車のおやじさん、これは友達でございますが、聞いてみますと、我々の仲間も減る一方で、この商売も私と家内の一代で終わると。私たちも年をとっているから、販路拡大などは無理だと。今のお客さんで精いっぱい。新しく始める人も余り聞かないというような話を聞かされました。
八百屋や雑貨店の消滅は、村社会の消滅につながると思います。先般の
新聞報道で、近い将来人口減となり、集落が消える調査報告がなされました。大変なことです。その集落では生きていけないということです。何とか地域でともに生きる最低の条件を再生しなければ、日本の文化も歴史も伝承されにくくなります。
なぜそうなったかと考えますと、私のように生まれたところで育ち、生活し、両親と暮らす人はまれでございます。顧みますと、昭和20年8月の終戦、平和と経済成長への道をたどった日本、そこには昭和35年をスタートに、団塊世代の活躍の場所が待ち受けていました。村社会の衰えは、時代背景を考えると、団塊世代の先輩の方々と密接に関係あるのではないだろうかと推測いたします。団塊世代は1947年から1949年の3年間に生まれた人々で、日本の人口分布の中に680万人というボリュームを持ち、他の世代から突出している人口集団でございます。この議員の中にもこの時代に生まれた方もいらっしゃいます。
その団塊世代の学齢期には、1学級50名とか1学年の学級数が十数クラスとか、超過密教育を受け、未曾有の受験地獄を通過し、入った大学では学園紛争を起こし、社会に出るとともに高度経済成長を担う中心部隊となり、一方では、核家族、ニューファミリーと呼ばれ、中間層を形成して日本の消費を牽引してこられました。そして、2007年から2009年になると、団塊の世代の中の280万人以上が定年退職期を迎えられます。この世代の先輩が通過するそれぞれの年代で、常に社会を大きく揺さぶる波風が起きているそうでございます。村の崩壊、八百屋の消滅が団塊世代の流出とするならば、もう一度団塊世代の先輩の皆さんに、村の崩壊、八百屋の消滅にストップをかけるよう、一肌脱いでいただきたいものであります。
そこで、市長にお尋ねしたいと思います。
団塊世代対策につきましてはいろいろな施策が各自治体で検討され、既に実施されている自治体もあります。
次に、都会で暮らす団塊世代に対して、ふるさと回帰大作戦などの施策の計画はあるかどうか、考えをお聞きしたいと思います。
次に、経済振興局長に、さきに述べました「八百屋復活は団塊世代で新しい
まちづくり、元気な
まちづくり」についてお尋ねいたします。
団塊世代による八百屋復活対策として、
①八百屋、魚屋、大衆食堂、飲食等の移動販売店設立のお手伝い。
②郊外集落での八百屋や雑貨店等開設のお手伝い。
③大型団地内空室店舗利用の八百屋、魚屋、大衆食堂、飲食店等開設のお手伝い。
本市として、どういうお手伝いができますか。経済振興局長にお尋ねします。
次に、
まちづくりの4番目で、毎年登壇するたびに言って申しわけございませんが、我々の校区にあります池辺寺遺構の積極的活用についてお尋ねします。
池上町平地区の山中に幻の山岳寺院と言われる池辺寺の遺構跡があります。本市の長年にわたる発掘調査で、国の指定を受け、さらには対象区域の用地買収とたび重なる御努力に対しお礼を申し上げます。
その遺構は、本市の調査で、平安時代の山岳密教寺院としては全国的にも例のない寺院であったことが確認されております。この池辺寺は今を去る千数百年前の創建と伝えられ、その昔にこの偉大なる寺院を創建された先哲の想像を絶する苦労、深い人間愛にこたえるためにも、また、戦国時代、跡形もなく焼き払われた寺の宝物を守り、不安定な社会の中でその散逸を防ぎ、今日に伝えた代々の祖先の志に思いを至らせます。
国指定、用地買収箇所はまだまだ一部にすぎません。今後の発掘調査の拡大、遺構の常設公開と課題が山積しています。地元の願いは、本来の姿への復元、創建以来の先哲の遺徳を忍ぶにふさわしい歴史館の建設でございます。現在発掘中の池辺寺遺構跡の今後の方針、活用についてお聞かせください。
以上、関係局長にお尋ねいたします。
〔幸山
政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 質問の順番と前後いたしますけれども、私の方から団塊世代の対策につきましてお答えさせていただきます。
ただいま議員が御紹介されましたように、いわゆる団塊の世代が2007年から2009年にかけまして一斉に定年退職を迎えられますために、年金などの
社会保障制度を初めといたしまして、さまざまな分野で大きな影響をもたらすことが予想されております。
そこで、各企業におきましては、ベテラン職員不足を回避し技能継承を図るために、定年延長や再雇用などを図る、あるいは団塊世代の技術や能力、人脈を生かしますために、積極的に団塊世代の人材獲得を目指すといった取り組みが進められているようであります。加えまして、団塊世代の消費をターゲットといたしまして、さまざまな企画や商品などの開発も進んでいると伺っております。
一方、
地方自治体におきましても、地域の担い手といたしましての団塊の世代を呼び込もうとする動きが盛んになってきているところでありまして、例えば、島根県におきましては、県知事名におきまして約2万人の県出身者等へ危機を呼びかける手紙を送られましたり、茨城県におきましては「いばらき さとやま生活」として、都市圏と茨城県北地域との2地域居住のライフスタイルを提案しているところもあるようであります。
私といたしましては、
まちづくりに大切なものは何よりもまず人であると認識いたしておりまして、今後本市におきましても、急速な高齢化、生産人口の減少が予測されます中で、地域活力を維持、発展させてまいりますためには、団塊世代の方々の経験、知識、技術などを新しい
熊本づくりに積極的に生かしていく必要があると考えております。そこで、市民活動支援センターでボランティア相談や情報提供などを行っているところであり、このような活動を通じまして団塊世代の皆様方の社会参加や社会貢献を促進してまいりたいと考えております。
さらに、都市圏全体におきましては、先般まとめました都市圏
ビジョンにおきまして、定住を促進する安全で快適な生活環境の形成を基本戦略の一つとして掲げているところでありまして、清冽な地下水や豊かな緑に囲まれている環境と同時に都市的サービスも享受できるといった、心豊かに暮らせる都市圏の情報を幅広く発信してまいりますことによりまして、団塊世代にとどまることなく世代を超えた人々が集い、そして、住みたくなるような定住促進に取り組むこととしているところであります。
〔小牧幸治環境保全局長 登壇〕
◎小牧幸治 環境保全局長 私の方からは森の都と街路樹についての緑保全につきましてお答えいたします。
本市では森の都熊本の再生に向けまして、市民、事業者と協働で緑化の推進に取り組んでいるところでございます。現在、市民の皆様の緑に関する意識の高揚を図りますとともに、市民の皆様と協働による緑ある
まちづくりを行うために、公共性のある場所に本市が樹木などを提供し、地域の方々とともに樹木や草花などの植栽を行う緑化市民運動を展開いたしております。また、新世紀漱石の森づくり事業としまして、家庭や事業所における樹木の植栽に対する助成や新築、誕生などを記念しての樹木の配布、さらには花いっぱい作戦といたしまして、自治会等への花苗の配布等も行っているところであります。
そのほか、
まちづくり戦略計画に基づき、観光客の往来が多い
中心市街地のアーケード内緑化の拡大や、陸の玄関口であります熊本駅から祇園橋付近まで市電のセンターポール敷へのプランターの設置など、潤いのある
まちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
このような一つ一つの取り組みの積み重ねが、市民の皆様や観光でお見えになる方々に対し、熊本市は緑を大切にし保全に努めていると感じていただけるようなアピールになるものと考えております。
〔上田謙一建設局長 登壇〕
◎上田謙一 建設局長 私からは、街路樹に関してお答えいたします。
まず、街路樹の剪定の方法は、枝を短くそろえる強い剪定と樹形を整える弱い剪定があります。樹木の種類によっても適した程度や時期がありますので、専門家に相談しながら実施しているところであります。
また、住民の方々からは、街路樹による日照不足や落ち葉に関して及び信号や
標識、看板などが見えにくいといった要望があり、このようなさまざまなケースに対応しておりますが、いずれにしましても、住民の方々の意見を伺いながら街路樹の管理を行ってまいりたいと考えております。
次に、街路樹の種類を選ぶに当たりましては、歩道の幅員や歩行者、自転車の通行量など構造上の観点と、日照への影響や落ち葉など、住民の方々の御意向を踏まえ、例えば常緑樹か否か、また目張りなど、樹木の特性を勘案して選んでおります。
いずれにしましても、街路樹は多くの市民の目に触れる公共の緑でありますことから、今後も住民の方々と連携を一層密にして、森の都熊本にふさわしい街路樹を選んでまいりたいと考えております。
〔岡本安博経済振興局長 登壇〕
◎岡本安博 経済振興局長 私からは、団塊世代による八百屋復活対策についてお答えいたします。
議員御案内のとおり、市内の各地域商店街に空き店舗がふえておりまして、高齢者を初め、地域住民にとりまして不便になったという事例がふえております。身近に買い物をする店がないということは、日々の生活にさまざまな支障が出るだけでなく、コミュニケーションの場もなくなり、安全で安心な
まちづくりの観点からも課題であると存じます。
議員お尋ねの支援策といたしましては、中小企業経営サポートプラザにおきまして各種情報、経営ノウハウ、資金等について相談に応じておりますし、個人において店を開設する場合は諸条件がございますが、開業資金や小口資金による支援を用意いたしております。
また、商店街に対しての支援策としましては、地域住民や商店街にとって必要な業種を誘致する事業や、チャレンジショップなどといった空き店舗対策事業等を実施し、商店街の活性化をお手伝いしているところであります。
加えまして、他都市においても同様の事情にあろうかと存じますので、今後調査研究してまいりたいと存じます。
〔永山博教育長 登壇〕
◎永山博 教育長 私の方からは、池辺寺跡の積極的活用についてのお尋ねにお答えいたします。
池辺寺跡につきましては、昭和61年度より重要遺跡として発掘調査に着手し、およそ10年にわたる発掘成果をもとに、平成9年9月に国の史跡として指定を受けております。その後、隣接して発見されました庭園跡を含む遺構部分につきましては、平成14年3月に追加指定を受け、現在も池辺寺跡の全容解明のため指定地域周辺の発掘調査を継続しているところでございます。
そのような中、池辺寺跡の適正な保存整備を図るため、平成17年度に考古学、古代史学、建築学などの専門家によります史跡池辺寺跡保存整備検討委員会を設置し、検討を進めているところでございます。委員会はこれまで5回の会議を開催しておりまして、池辺寺跡遺跡全体の整備基本構想(案)をまとめているところでございます。また、この基本構想の中で、保存整備だけではなく整備後の活用面についても方向性をまとめるようにしており、有効な活用ができますよう検討していきたいと考えております。
今後も池辺寺跡の調査や整備につきましては相当の年月を要すると思われますが、全国的にも貴重で市民にとってもかけがえのない歴史的文化遺産でございまして、調査報告書の発行や現地説明会なども行いながら、引き続き適切な保存整備に努めてまいりたいと存じます。
〔36番
田尻将博議員 登壇〕
◆
田尻将博 議員 ありがとうございました。
若干、団塊の世代と八百屋の復活について、自分の考えが執行部になかなか届いておらんような感じも受けるんですよね。
実は私も田舎に住んでおりますが、定年でやめた市の職員のOBもいらっしゃいますし、いろいろな企業の方も、荒れた畑を借りて野菜づくりとかいっぱい始まっております。ほとんどの方は、友人、知人に配っていかれるわけですが、そういうものが多くなっていくことで生産する団塊の世代、販売する団塊の世代、それを流通に持っていく団塊の世代、そういうものがネットワーク化することで、また安い新鮮な野菜が、自分の手で、空き家を利用したり、そういう場所でできるのではないだろうかと。100円でも50円でも野菜を積んでおくと、無人販売がありますね、そういうものも含めて、何か行政がしてやるのではなくて、こういうものをやりたいから何かちょっと知恵をかしてくださいよというような質問をしたつもりなんですよね。
ぜひこれから、2007年から2009年と言われておりますので、この問題は本当に我々が新しいまちをつくる、団塊の世代の人たちが
まちづくりをするという回帰論ではございませんが、大変重要な
位置づけだろうと思いますので、どうか施策も含めて、早急に団塊の世代対策については執行部も
ビジョンをつくっていただきたいと思います。
それでは、
まちづくりに対する要望を3点述べたいと思います。
一つは、私どもの自治会でございまして、数年前から私どもは自治会役員でごみステーションを管理しておりまして、徹底した分別をやっております。特に資源ごみの分別は、我々役員により、さらに分別いたしまして、アルミ缶を自治会でつぶして、そして網の倉庫に施錠をして、ごみステーションを管理して、半年に1回、軽トラ2台ありますけれども、廃品回収業者に持っていきまして、大体軽トラ1台分が一万七、八千円でございまして、大体半年で2台分くらいになるわけでございます。それを我々はまたごみステーションの維持管理に還元する、そういうふうな形でここ数年やっておりました。ところが、実はきのうです、きのう3月4日未明ですね、きのうの朝わかったわけですので。そのごみステーションに隣接しております我々自治会のアルミ缶の回収倉庫が、施錠を何かで壊されまして、2カ月分ためておりましたアルミ缶が持ち去られました。恐らく量からすれば車以外はありえません。もう悪質きわまりない窃盗でございます。私どもも近所にお宮さんがあるわけですが、お宮さんの賽銭箱泥棒も、なかなか苦労しながら3年越しでその闘いに我々が勝ったわけで、もう泥棒も来なくなりました。
そういうことで、今度は我々が施錠してつくっておるアルミ缶の倉庫をそのままバサッと持っていかれて、大変きのうはショックでございまして、役員会議を開きまして、警察に通報いたしまして今後の対策を協議いたしました。結論は一つです。今回、上程されております資源物等の持ち去り行為の禁止条例の制定について、町内挙げて賛成をしようという結論に達しました。本日は自治会長も傍聴席にいらっしゃっております。私は悩んでおりました。やっぱりホームレスの問題、いろいろな同情、こういう感情の男でございますので。しかし、そういう部分とこういう悪質な部分、せっかく町民を挙げてやっておる行為があだになるんですね。これは本当にきのうショックで、これはもう何とかしようと、また何とかしてもらわないといけないとなりましたので、私は環境水道委員でございますので、一番に賛成したいと思います。
次に、谷尾崎川の排水機場建設です。長年にわたり関係者の皆さんに大変お世話になっております。国庫補助の削減をもろに受けまして、建設工程の先送りで、昨年からは地域関係者、大変心配しておりました。今回の補正予算で国庫補助の追加内示を受け、安心したところでございます。
また、長期間にわたって工事があっておりますので、地域にとっては明暗な現象が出てまいります。早くしてくれという意見、また、昨年は大きな水害が2つございました。その水害で、何が原因かわかりませんが、田に泥が入り、耕作者の皆さんが何回も田の中に入って泥を上げて、また新しい苗を植えたりという行為がありました。何が原因かはまだ今調査中ではございますが、水害のための対策が農業被害という逆の問題にもなりました。しかし、将来、私ども地域にとっては大変必要な排水機場でございます。頭の痛いところとは思いますが、今後とも地域の皆さんへの丁寧な対応、そして敏速な判断、そして説明責任を、これはそこに限らず、役所の皆さんが地域で工事をやっております。ぜひそういう敏速な判断、説明責任については要望しておきたいと思います。
次に、総合型スポーツクラブについて、本市の指導で各地域にクラブが誕生いたしました。本格的にはもう10カ所、そして予備軍が大分出てまいっております。
私どもも熊本西総合型スポーツクラブということでスタートを切っておるわけですが、理想的な地域面積があるはずです。大体いろいろなデータを見ますと、人口が2万人、そして拠点会場を中学校体育館、そして補助体育館を小学校の体育館というのが理想で、そこの会員さんも、自転車で15分程度が大体ベース的な理想のエリアと言われております。しかし、熊本市域全体を見ますと、都市部があり、また我々のような郊外、山岳部、海辺もたくさんあるわけでございまして、我々の地域は農業を中心とした中山間地帯、今2中学校・8小学校区で西部は1つということでスタートを切ったわけでございます。我々は恵まれておりまして、たくさんの体育施設はありますが皆バラバラでございまして、ましてや人口密度は低く、また高齢化が進んでおりまして会員はなかなか集まりません。
そこで、これは田中議員が一番プロ中のプロではございますが、スポーツクラブの経営安定ということで、ひとつお願いしたいと思います。いろいろな地域性があるわけでございますが、既存のスポーツクラブ、また今から出てくるスポーツクラブの総合ランクづけといいますか、地域性、人口性、体育館の施設性、移動距離性とか、そういう点数をつくっていただきましてランクづけをしていただくと。そして、そのランクづけ、AAランクは最高。今で言う東京都、不交付団体、補助金をもらわない団体ですね、そういうふうなランクづけをしていただいて、逆にランクづけに応じて、体育館の使用料を一部免除するとか、免除がいけないならば後から補助金で返すとか、いろいろな策を練ることで総合型スポーツクラブもあちこちでまたスタートを切れるだろうと思いますし、総合型スポーツクラブも、僕は統廃合、合併が将来は考えられるのではないだろうかと思うんです。
したがって、これだけ文部科学省も全国的に促進しているし、本市も総合型スポーツクラブについては、もういろいろ力を入れていただいております。自主的に地域でする、よく考えてみると、いわばあなたたち任せのクラブでございまして、銭はやらないけれども口は出すというのが今の状況だろうと思います。したがって、もう一考いただきまして、この総合型スポーツクラブについてはよろしくお願いしたいと思います。
以上、3点要望で、次の環境教育について御質問したいと思います。
環境教育とは、学校だけではなく、家庭や地域社会と深く結びついて行う教育であると思います。特に、日々の生活の中から学ぶ素材は、工夫一つで子供の将来までも変えるような大発見につながると思います。中学校で実施されている体験学習ナイストライなど、各職場で経験する接遇や働く姿、生産を生み出す機械、職場環境など、生徒たちに与える影響ははかり知れないものがあると思います。きょうは、いつもの先生から学ぶ授業ではなく、その職場で働く専門職の先生が出向いて行う出前授業について、意見を添えて質問したいと思います。
最近、全国各地で企業の専門職による出前環境教育の話題があります。一つ新聞に掲載された碩台小学校の出前授業を紹介しますと、大手電機メーカーのシャープさんでございます。シャープは、テレビなどで活躍する気象キャスターと協力して、小学生を対象にした環境教育の実施を、全国で、実は昨年が55校、19年度は500校に拡大すると新聞に載っておりました。授業は、シャープ社員や気象キャスターが学校を訪問し、わかりやすい実験を通じて、地球温暖化の問題やリサイクルの重要性を説明するという構成になっております。実は、教師からですよ、教師からは、楽しくわかりやすいなどの感想が寄せられる。児童の評判もよかった。先生が感心しているんですよ。授業に協力するシャープ社員を110人に倍増すると。同社のホームページには、授業後に浮かんだいろいろな質問を受けたり、学校間の交流を支援するコーナーを開設するというふうに載っておりました。
今、企業やNPO法人などが全国各地で環境を中心とした学校、家庭、地域社会と連携した出前授業に力を入れております。そして、企業は企業としての社会的責任を担おうとしております。学校の授業と異なり、子供たちにとって価値ある授業と思います。
出前授業の拡大と窓口の整備について教育長にお尋ねいたします。
〔永山博教育長 登壇〕
◎永山博 教育長 環境教育、出前授業の拡大と窓口整備についてのお尋ねにお答えいたします。
本市の小中学校の環境教育につきましては、これまでも各教科や総合的な学習の時間等において進めているところでございますが、より体験的な学習や出前授業等につきましては、関係各課が提供いたします環境学習の情報をいただきながら、各学校の実態や必要に応じて実施いたしているところでございます。
さらに、議員御紹介のように、地球温暖化を防ぐための取り組みやリサイクルについての理解を深めたりするために、企業等が実施します出前授業を活用している学校も数校ございます。
そこで、このような小中学校の取り組みを広げていく上では、情報を把握し、各学校へ情報を提供していくことが必要になろうかと思いますので、窓口の整備の問題も含めまして、関係各課と連携しながら研究してまいりたいと考えております。
〔36番
田尻将博議員 登壇〕
◆
田尻将博 議員 ありがとうございました。
国の方も教育制度が大幅に変わりつつあります。ゆとり教育の土曜休日もなくなるじゃないかとか、今後いろいろな大きな課題でございますが、やはり日本を背負う、また地域を背負うのは子供たちでございます。生活の中からいろいろな課題を与えながら教育する、我々もやっております青少年の健全育成、これが一番大事だろうと思いますので、いろいろな難題をお持ちの教育委員会、ぜひ、人の手助けで頑張って、要するに企業は待っております、いろいろなプロがおりますので、ぜひ窓口といいますか、企業が言ってくるのではなくて、こちらから発信する手法をぜひとっていただきたいと思います。
永山教育長はもう終わりでございますので、引き継ぎもよろしくお願いしておきます。
さあ、もう最後でございます。
その他の項目で、人事関係について一言御意見と御質問をしたいと思います。
全国の自治体で、業務職の職場はアウトソーシングの荒波にのまれようとしております。一昨年から本市の職種変更試験制度が変更され、十数人が合格され、新しい職場で奮闘されております。
そこで、職種変更試験についてお尋ねをします。
まず、最初に、今後の業務職採用の計画と、将来どの程度で固定数になるのか。
次に、業務職から事務、技術職員への受験状況について。
次に、合格者が職場になれないという、そして、教育してほしいという声があります。また、配属先の姿を見て、試験チャレンジに後ろ向きになった職員が多数見受けられると聞いております。職場配置後の教育と職場配置に教育的配属はできないものか、総務局長にお尋ねします。
〔寺本敬司総務局長 登壇〕
◎寺本敬司 総務局長 業務職の職種変更についてお答えいたします。
まず、業務職の採用につきましては、現在集中改革プランにおける中期定員管理計画に基づき人員を削減しており、採用は抑制せざるを得ない状況にございます。また、将来的な採用計画等については、業務のあり方やアウトソーシングの
進捗状況等を、十分見きわめてまいりたいと考えております。
次に、業務職からの職種変更試験の状況でございますが、平成16年までは、約50名の受験者に対し一、二名の合格者でありましたが、17年度に試験制度を見直したことによって約100名の受験者となり、17年度は13名、本年度は17名が合格している状況にあります。